建ぺい率・容積率 計算ツール
敷地面積と建ぺい率・容積率を入れるだけで、建てられる建築面積と延べ面積の上限を㎡と坪で計算します。前面道路の幅員による容積率の制限、角地・防火地域の緩和、「建てたい広さから必要な敷地を逆算」にも対応。
建ぺい率・容積率とは
| 建ぺい率 | 容積率 | |
|---|---|---|
| 定義 | 敷地面積に対する建築面積の割合 | 敷地面積に対する延べ面積の割合 |
| 建築面積/延べ面積とは | 建物を真上から見たときの面積(外壁の中心線で囲まれた部分) | 各階の床面積の合計 |
| 決めているもの | 敷地の何割まで建物で覆えるか(日照・通風・延焼防止) | 合計で何階分の床を作れるか(密度・インフラ負荷) |
| 計算式 | 建築面積の上限 = 敷地面積 × 建ぺい率 | 延べ面積の上限 = 敷地面積 × 容積率 |
前面道路の幅員による容積率の制限
指定容積率がそのまま使えるとは限りません。建築基準法52条2項により、前面道路の幅員が12m未満の場合は、次の値と指定容積率の小さい方が上限になります。
| 用途地域 | 係数 | 例: 幅員4m | 例: 幅員6m |
|---|---|---|---|
| 住居系(第一種・第二種低層/中高層住居専用、第一種・第二種住居、準住居、田園住居) | 0.4 | 160% | 240% |
| その他(近隣商業、商業、準工業、工業、工業専用、用途地域無指定) | 0.6 | 240% | 360% |
住宅地では幅員4mの道路が多く、指定容積率200%の土地でも実際は160%までしか使えないケースが頻出します。複数の道路に接している場合は最も広い幅員で計算します。係数は原則の値で、中高層住居専用・住居系の地域では特定行政庁が指定する区域で0.6、商業系などの地域では0.4または0.8になることがあります(同項各号)。
建ぺい率の緩和
- 角地緩和(+10%): 特定行政庁(市区町村または都道府県)が指定する角地。「角地なら自動で+10%」ではなく、自治体ごとの基準(隅切り、道路幅員の合計など)があります。
- 防火地域の耐火建築物等(+10%): 2018年の法改正(2019年6月25日施行)で、準防火地域内の耐火・準耐火建築物等も+10%の対象に拡大されました。ただし、次の「制限なし」になるのは防火地域だけで、準防火地域は+10%までです(建築基準法53条3項・6項)。
- 両方に該当すれば+20%。指定建ぺい率80%の地域で防火地域内の耐火建築物なら制限なし(100%)です。
建築面積(建ぺい率)に入るもの・入らないもの
建ぺい率は「建築面積 ÷ 敷地面積」なので、カーポートや物置を後から建てると建築面積が増え、建ぺい率の上限を超えることがあります。よく質問されるものの扱いをまとめました。
| 対象 | 建築面積への算入 | 根拠・注意 |
|---|---|---|
| カーポート | 原則として算入 | 屋根と柱があり土地に定着していれば建築物です(建築基準法2条1号)。ただし、外壁のない部分が連続して4m以上、柱の間隔が2m以上、天井の高さが2.1m以上、地階を除く階数が1、という条件に当てはまる「高い開放性を有する」構造のものは、端から水平距離1m以内の部分を建築面積に算入しません(建築基準法施行令2条1項2号、平成5年建設省告示第1437号)。 |
| 物置 | 人が中に入れるものは算入 | 人が中に入って使う物置は、小さくても建築物です(建築基準法2条1号)。一方、外から荷物を出し入れするだけで人が立ち入らない小型の物置は、建築物に当たらない扱いです(国土交通省 国住指第4544号、平成27年)。その大きさの基準は自治体ごとに異なります。建築物に当たる物置でも、防火地域・準防火地域の外で床面積10㎡以内の増築にあたる場合は建築確認の申請が不要になることがあります(同法6条2項)が、申請が不要でも建ぺい率の制限はかかります。 |
| ウッドデッキ | 屋根がなく床が低いものは算入しない扱いが多い | 高さや構造によっては算入されることがあり、扱いは特定行政庁によって異なります。 |
| ビルトインガレージ | 算入 | 建物の一部なので建築面積に入ります。容積率の計算では、敷地内の建築物の延べ面積の1/5までは延べ面積に算入しません(建築基準法施行令2条1項4号・3項)。 |
| 軒・ひさし・柱のないバルコニー | 外壁から1mを超えて突き出た部分のみ算入 | 外壁や柱の中心線から水平距離1m以上突き出たもの(軒・ひさし・はね出し縁など)は、先端から1m後退した線までを建築面積に含めます(建築基準法施行令2条1項2号)。柱で支えるバルコニーは柱の中心線までが建築面積に入ります。 |
| 中庭(屋根なし) | 通常は含まない | 建築面積は外壁や柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積なので(建築基準法施行令2条1項2号)、屋根のない中庭は通常含みません。扱いは計画ごとに確認してください。 |
最終的な判断は建築確認を行う特定行政庁・指定確認検査機関です。
用途地域ごとの一般的な指定値
| 用途地域 | 建ぺい率 | 容積率 |
|---|---|---|
| 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 | 30・40・50・60% | 50〜200% |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 30・40・50・60% | 100〜500% |
| 第一種・第二種住居地域、準住居地域 | 50・60・80% | 100〜500% |
| 近隣商業地域 | 60・80% | 100〜500% |
| 商業地域 | 80% | 200〜1300% |
| 準工業地域 | 50・60・80% | 100〜500% |
| 工業地域 | 50・60% | 100〜400% |
実際の指定値は自治体の都市計画図(多くの市区町村がWebで公開)で確認できます。
早見表(前面道路の制限なし・緩和なし)
よくある組み合わせの早見表(建ぺい率・容積率別)
物件情報でよく見る建ぺい率・容積率の組み合わせごとに、敷地100㎡と165㎡(約50坪)で建てられる建築面積・延べ面積の上限をまとめました。目安の階数は「容積率 ÷ 建ぺい率」で、建築面積いっぱいに建てた場合に何階分の床を使えるかを表します。
| 建ぺい率/容積率 | 敷地100㎡ 建築面積 | 敷地100㎡ 延べ面積 | 敷地165㎡(約50坪) 建築面積 | 敷地165㎡(約50坪) 延べ面積 | 目安の階数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建ぺい率60%/容積率200% | 60㎡ | 200㎡ | 99㎡ | 330㎡ | 約3.3階分 |
| 建ぺい率60%/容積率150% | 60㎡ | 150㎡ | 99㎡ | 247.5㎡ | 約2.5階分 |
| 建ぺい率50%/容積率100% | 50㎡ | 100㎡ | 82.5㎡ | 165㎡ | 約2.0階分 |
| 建ぺい率50%/容積率80% | 50㎡ | 80㎡ | 82.5㎡ | 132㎡ | 約1.6階分 |
| 建ぺい率40%/容積率80% | 40㎡ | 80㎡ | 66㎡ | 132㎡ | 約2.0階分 |
| 建ぺい率80%/容積率300% | 80㎡ | 300㎡ | 132㎡ | 495㎡ | 約3.8階分 |
前面道路の幅員による容積率の制限(建築基準法52条2項)、高さ制限・斜線制限・日影規制、角地・防火地域の緩和は考慮していません。実際の上限は上の計算ツールで道路幅員などを入れて確認してください。
建ぺい率・容積率の調べ方
- 市区町村の都市計画図を見る: 多くの市区町村が、用途地域・建ぺい率・容積率をWebの都市計画情報(地図サービス)で公開しています。「市区町村名 都市計画図」で検索すると見つかります。
- 役所の都市計画課に問い合わせる: 窓口や電話で、住所や地番を伝えて確認できます。
- 不動産会社の資料を見る: 物件資料(販売図面)や重要事項説明書に、用途地域・建ぺい率・容積率が記載されています。
角地緩和の対象になるか(自治体ごとの基準)や、防火地域・準防火地域の緩和の扱いは、指定値とは別に確認が必要です。
よくある質問
建築面積に入らない部分はある?
軒・ひさし・柱のない(持ち出しの)バルコニーなどは、外壁から1m以内の部分は建築面積に含めません(1mを超える部分のみ算入)。柱で支えるバルコニーは柱の中心線までが算入されます。地階で地盤面から1m以下の部分も除外されます。
延べ面積に入らない部分はある?
容積率の計算では、天井が地盤面から1m以下にある地階の住宅部分(住宅部分の床面積合計の1/3まで)、ビルトインガレージ(延べ面積の1/5まで)、共同住宅の共用廊下・階段などが不算入になります。小屋裏収納は、天井高1.4m以下・その階の床面積の1/2未満などの条件を満たすと階や床面積に数えない取扱いがあります(国の技術的助言に基づく各特定行政庁の基準で、条件は自治体ごとに異なります)。これを使うと指定容積率以上の床を確保できることがあります。
建ぺい率60%・容積率200%で3階建ては可能?
数字上は建築面積の3.3倍の床が作れるので3階建てで使い切る計算になりますが、実際には高さ制限(絶対高さ・道路斜線・北側斜線)や日影規制で3階が制限される地域があります。特に低層住居専用地域は高さ10mまたは12mの絶対高さ制限があります。
建ぺい率・容積率をオーバーしていると何が起きる?
建築確認が下りず着工できません。既存の建物がオーバーしている(既存不適格・違反建築)場合、増改築の制限や、住宅ローン審査で不利になることがあります。中古購入時は検査済証の有無を確認してください。
2つの用途地域にまたがる敷地はどう計算する?
それぞれの地域に属する敷地面積の割合で加重平均します。例えば敷地の60%が建ぺい率60%の地域、40%が80%の地域なら、全体の建ぺい率は60×0.6+80×0.4=68%です。
カーポートは建ぺい率に入る?
屋根と柱があるカーポートは建築物なので、原則として建築面積に算入されます。ただし、外壁のない部分が連続して4m以上・柱の間隔が2m以上・天井の高さが2.1m以上・地階を除く階数が1といった開放性の高いものは、端から水平距離1m以内の部分を建築面積に算入しない緩和があります(建築基準法施行令2条1項2号、平成5年建設省告示第1437号)。後付けで建ぺい率を超えると違反建築になり得るので、設置前に残りの建築面積(このツールで出した建築面積の上限−既存の建築面積)を確認してください。
建ぺい率60%・容積率200%だと何㎡の家が建てられる?
敷地100㎡なら建築面積60㎡まで、延べ面積200㎡まで、敷地165㎡(約50坪)なら建築面積99㎡まで、延べ面積330㎡までです。ただし前面道路の幅員が12m未満だと容積率が制限され、住居系の用途地域で前面道路が4mなら原則として4×0.4=160%(敷地100㎡で延べ面積160㎡)が上限になります(建築基準法52条2項)。高さ制限・斜線制限も別途かかります。
本ツールは建築基準法53条・52条の一般的な規定に基づく概算です。角地の指定、用途地域、高さ制限、各種緩和の適用は自治体・敷地ごとに異なります。実際の計画は建築士または自治体の建築指導課にご確認ください。